大鳳級

要目

基準排水量5万トン
全長280メートル
全幅水線30メートル・最大45メートル
速力33ノット
搭載機・プロペラ機100機(ジェット機80機)

建造艦 「大鳳」「白鳳」「翔鳳」

背景

太平洋戦争の空母による活躍により正規空母の重要度が認識され、注目度は一気に高まった。また太平洋戦争中の戦訓、特にアメリカ海軍空母が一撃で全滅している点は、空母の脆弱性を示すものだった。このため新造艦に搭載艦載機数の増大はもちろん、敵の攻撃から身を守る装甲が求められた。だが太平洋戦争後の一時的な経済の冷え込みによって計画は先送りになり、すぐにノモンハンでの戦闘で軍の整備が始まっても、敵であるドイツ・ロシアが大陸国であるために海軍の新造艦建造は認められなかった。
だが欧州で戦闘が始まり、まずは船で部隊を輸出しなければならないとなると話は一転する。特にドイツ海軍潜水艦。通称Uボートによる通称破壊戦は第一次大戦を彷彿とさせるものであった。これに対処するために大量の海防艦が必要とされた。同時に欧州での機動艦隊の活躍から、空母の建造が認められたのだった。
そして建造計画にこの大鳳が入っていたのだが、最初の設計は実際に建造された艦とは随分かけ離れた艦であった。設計にはサイドデッキも広大な飛行甲板もない、一般的に日本的とされるスマートな艦だった。設計が一転するのはアメリカ参戦が決定的になり、日米で技術交流が始まってからである。
どのような国にも得意とする技術分野が存在するように、アメリカも日英に技術全般では遅れていたものの、日英にない得意とする技術があり、そのなかにサイドデッキと広大な飛行甲板を持ち、一段格納庫であっても艦載機を甲板に括り付けることによって艦載機に確保する技術があった。
サイドエレベーターの利点は、エレベーターが格納庫と重ならないため、格納庫を広く使えること。機体を外にはみ出して載せれるのでエレベーターを小さく作れること。エレベーターは基本構造外なために爆弾が命中しても艦事態に被害がでない故の防御上・船体構造上の有利。またもちろんエレベーターが容易に増やせるための物資、人員の積載に便利さだった。
欠点は波浪の影響を受けやすいこと。ガイドが片隅にしかない等、設計製作が難しいこと。舷側に大きな穴があくので防水等配慮が必要なことである。
サイドデッキに繋がる発想自体は実際は日本でもあった。初期の空母には格納庫後ろ端に飛行機搬入口があり、シャッターが付いていたのだ。だが、荒天時に水が入るので廃止されたという経緯があった。そのため誰かが日本で思いついたとしてもサイドエレベーターが採用されることはなかっただろう。
なにより日本近海が台風や梅雨など雨が多くアメリカ近海より、天候に注意しなければならにことも、問題であった。技術発展はサイドデッキを可能にしようとも、技術備蓄のないため初期故障を克服するための投資を惜しんだが故に、サイドデッキを導入しなかった理由であろう。
これは広大な飛行甲板と一段格納庫での艦載機確保でも言えることである。広大な飛行甲板はそれだけ上部の重量が大きくなり、バランスが難しくなる。もちろん台風を受けたら大被害を負うだろう。艦載機を甲板に括り付けるなど論外である。
だからと言えって日本空母が艦載機を甲板に括り付けなかったわけではない。第二次世界大戦で、大量の航空機を欧州に運ぶために正規空母はもちろん軽空母や護衛空母も行っている。ただそれを前提としていなかっただけだ。
新技術がなくとも技術備蓄があるためにアメリカ空母はこれらを導入していた。これを日本側が取り入れたことにより、以後の空母設計は大きく変更されることとなる。
その余波を受けて大鳳も大きく進化を遂げることとなった。サイドデッキの導入はもちろん、格納庫の大変更と飛行甲板の巨大化である。この格納庫の変更と飛行甲板の巨大化によって設計時では60機しか運用できなかった艦載機を100機にまで増大させることに成功した。またこれまでに建造された空母は船体の上に飛行甲板を載せて固定する開放式と呼ばれる構造が一般的であったが、上部重量の増大と強度面から甲板を一層減じて重心を下げることと、乾舷の減少による凌波性の悪化を避ける目的で、艦首をエンクローズ・バウにしている。ようは船首を飛行甲板と一体化したのだ。また外方に傾斜した煙突を持つ特異な艦型となった。これほどに新技術を一度に試された艦も珍しいと言えよう。
こうして出来た艦はそれまでのスマートな日本空母と一線を画す、垢抜けした機械的な空母となっていた。またもともとが敵の攻撃にさらされることを前提とした防御強化型空母だったために、その防御火器と防御力は強力で、防御火器など第二次大戦中最高の火砲と呼ばれる長10センチ高射砲の二連装を10基、これまた第二次世界大戦中最高の機関砲と呼ばれるボーフォス社製40ミリ機関砲をニ連装で28基装備しており、下手な防空巡洋艦より対空火器が充実していた。ただ以後の日本空母ではこのような重装備は取られなかった。それは高速で動いていると、小さいとはいえ砲塔が起す乱気流によって艦載機の離発着に邪魔になることがわかったからだ。防御力は飛行甲板に張った鋼板はもちろん、アメリカ式の防御措置の利点を導入していた。外面的な変化はそれほどないが、通信塔がそれまでの日本空母では全て後方に配置するのを、大鳳ではなるべく離れて設置している。
第二次大戦後はその発展余裕を生かして改装を受け続け、ジェット機にも対応した初代空母となっている。

個人的感想
初めて書いた兵器です。これまでも何度も兵器を書こうとしたのですが、いつも頓挫していました。それがなぜか今日に限って力がみなぎり、およそ12時間ぶっとおしで書き上げることに・・・
たった一日で完成したにしては大満足です。
最初から空母を書くなら大鳳からと決めていたので願いが叶いましたし、見て分かるとおり遊びまくって書きましたから楽しかったです(笑)
個人的な艦船史では和製ミッドウェーに位置します。といっても見本にしたのは見ての通りエセックスです。好きなんですよねエセックス。だいたいミッドウェーという名前が嫌いです。さらに最近まで存在すら知らなかったミッドウェーになにを抱けと?w。
これでCGが打ち止めにならないことを祈ってます(涙)。俺のやる気よ!目覚め続けてくれ!!!
では、またどこかの平行世界で会いましょう。

(05年11月6日)
ちょっと改造。船首のほうの甲板が斜めにしていたのだが、かっこわるかったので両方から小さくする方向に。あとカタパルトを真直ぐにする。

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